六さん　平成17年5月15日　しんあい農園日記

磯村千代子先生と行く興福寺国宝展(鎌倉復興期のみほとけ)の日がきた。

11時前に岐波のご自宅にお迎えに行った。裏口から大声で呼んでも返事がないので戸をあけて呼んだ。ご家族に大切にされている様子を感じたのは、廊下のマットが滑って先生が転ばないようマットがテープで固定してあった。

県立美術館までの一時間、先生の話が楽しい「あそこの寺がうちの寺じゃけど、住職はわたしが20代のとき小学生の生徒じゃった。勉強が嫌いで高校受験を失敗した。その高校の校長と市教育長が親戚じゃったからコネでも入れるのに、よっぽど試験成績が悪かった。けれども勉強じゃ人生は決まらん、ええお坊さんになっちょる」

同じ小学校の生徒で知恵おくれだったY子さんから先日手紙が届いた。小野田の施設からで「先生のことを新聞で読みました」ではじまり「先生の娘ふたりは元気ですか」と60年ちかく前のことを鮮やかに思い出させる内容だった。「Y子ちゃん、その娘は早く亡くなりました」と返信したら「お花を供えてください」と千円が同封された封書がきた。「足立君、いちどY子ちゃんに会いたい」といわれるから「ああ、ちかいうちに連れていきますよ。必ず」と約束した。

先生のガイドで鎌倉時代という時代背景を聴きながら仏像を堪能させていただいた。

05/05/15(日) しんあい農園　足立　進