六さん　平成17年5月22日　しんあい農園日記

ずいぶん昔、知り合いが講演した。終わった夜わたしに「聴いてどうじゃった」と電話で問いかけた。その言葉の裏には「よかったでしょうが」という自信がみなぎっていたからほめ言葉で返事をした。苦言より楽にその場をおえることができるから。

「おいしいでしょう！」と問いかけられたらよほどのことがない以外は「うまいですね」と返事になる。その返事を受けた人は大満足でそこで努力や進歩が絶たれる。友人がそうなってはいけないから、気のおける仲間にはできるだけ正直な感想を口にするようにしている。

下松の安田さんから電話。「足立さんウィンナーはどうじゃった？うまいという言葉ではなく辛口で感想を聞かせてくれんか」と言う。世界一を受賞した安田さんに合点がいった。この男はいつも耳ざわりよい評価ではなく、もっと努力しなければならない言葉に耳を向けて生きている。わたしの率直な感想を申し上げたのは「想像していたほど鶏の風味がなかった」だった。「うん！わかった！それを改善する方法はいくつかある。再挑戦してみよう」と言う元気な言葉だった。

05/05/22(日) しんあい農園　足立　進