六さん　平成18年９月２日　しんあい農園日記

採卵のとき30個はいるトレイを何段も重ねて右腕で、出前持ちのように抱える姿勢をする。数が多い鶏舎では100個以上だから6キロ(一個は約60グラム）以上を腕で支えて作業する。そのせいかもしれない、早朝から右腕と肩に痛みがあり目がさめてしまった。

テレビでは「テレメンタリー？」という番組があり見入ってしまった。九州から広島までのバスジャック事件で、犯人の少年から顔面と腕を包丁で切りつけられた婦人が「あの場面で、なにもできなかった大人のわたしを少年にお詫びしたい」と意外な言葉をのべられた。その真相は、ご婦人の娘さんが犯人と同年齢で不登校。その愛娘の寂しい目と犯人の目が重なっていたといわれる。番組の結びは「居り場のない子供」というテーマだったと感じた。

彼女は佐賀市でハッピー・ビバーグ(緊急避難)という不登校の子供を預かる場所をひらいていた。いまは毎日の仕事だけに明け暮れて、なにも世間お役たてないけれど、いつかは思いをかたちに現したいと思った。

午後から夕暮れまで、高い青空にうかぶ羊雲を眺めながら、乾燥した風にふかれながら草刈りをやった。

しんあい農園　足立　進