六さん　平成18年１０月１２日　しんあい農園日記

下関野村證券には１時前に７０個を届ける。守衛のおじさんは几帳面を絵に描いたような人で、先週届けたビニール袋まで折りたたんでお返しくださる。

「あんたぁ、その先の浪花寿司にも納品するんじゃね。あの店の大将はボクが出勤する時間に道路を掃除しておるんじゃ…」几帳面な方に几帳面が見える世界があると思った。

美祢於福のＯさん。先週木曜はご主人のご葬儀だったからお悔やみで玄関に立った。「悔いがたくさん残りました」と、医療現場の対応に憤りを話された。８８歳で他界されたご主人は職業軍人（海軍砲術師教官）で終戦は横須賀でむかえた。美祢に復員したとき自決用のピストルだけを持って帰った。２３年に警察官になりほんとうにやさしい夫でした。死ぬときはひとりで往くのですね…。

１時間近く話しを聞かせいただいたのは、わたしには聞くだけしかできないから。喧嘩もありましたが、いまは不思議とよい思い出だけしかありません。「奥さん、そのよい思い出で元気で生きてくださいよ」と精一杯の言葉をかけた。

疲れがピークなのか農園に戻る途中で３０分近く休憩した。

しんあい農園　足立　進