食べ放題の店が廃業する原因のひとつは、こっそり持ち帰りの客が多く経営計画が破綻するからだと聞いたことがある。お客さまを選ぶことができないのは飲食業でも農園でもおなじこと。幸いなコトでお客さまと金銭のコトなどでおおきなトラブルが生じたコトは少ない。

火曜と金曜は和食の「若山」に配達がある。大将ひとり（アルバイトはおるけれど）でランチをやり、夕方から深夜まで営業される。雑談を交わしていたら「これみんさい」と有田焼きの箸おきをテーブルに投げ出した。「開業した６年前、１００個あったのがいまでは１０数個になった。ポケットに入れて帰る客がおる。箸おきならまだかわいい、有田の醤油さしに爪楊枝たてまで忙しい時間に持って帰るヤツがおると言う。

いろいろイベントに協賛してタマゴを販売したら、難癖をつけてくる客が多いから極力イベントはさけている。農園のお客さまは、お客さま同士での紹介でひろがった「タマゴの和・輪」であり、善意のなかで関係が展開している。儲けもほしいけれど、ストレスなく食べていけるいまが幸せかもしれない。