朝6時。気温14度。晴れ。最高気温21度。木陰は涼しいが、直射日光はとても厳しい。
鶏舎で朝の採卵をしている最中、2週間ほど前に受けた電話番号と同じ「下関の市外局番」から着信。
高齢の女性で、前回と同様「ゆで卵をしたが殻が上手に剥けない」との問い合わせである。もう一度、ゆっくりと鶏舎の中から説明させていただいた。
前回の電話を頂いた際、ゆで方の説明をしながら「新しいタマゴですから」と付け加えると、深く納得して下さり「やっぱりねぇ〜」と電話口の声も穏やかだった。
ただ、お名前をお聞きした際、「若いものが買っているタマゴなので私が電話したことを知られたくないので」と家庭の事情でお名前までお聞きせず。
タマゴは「命の塊」であり、肉眼で確認できないが殻の表面には「気孔」という無数の穴があり、そこから呼吸している。
産みたてのタマゴは内部に命一杯の水分を含んでいるが、時間と共に「気孔」から水分が蒸発し劣化が進む。
新鮮なタマゴほど、茹でた時、白身が膨張し、殻が剥きにくくなるのである。
携帯電話を握りながら、そんな事情をサラッとお伝えし、電話口むこうの高齢のお客さまに「メモがとれますか?」と質問する。
私は鶏舎の中、ご高齢のお客さまはメモ用紙を探しに。朝の産卵ラッシュで鶏が賑やかな時間。
メモ用紙を用意され、電話口に戻ったお客さまから「鶏の声が聞こえますねぇ。朝の忙しい時間すみません」と。
以前、下関の「浪花」荒川さまが教えて下さった「ゆで卵」の作り方を、そのままお伝えする。
茹でる前に卵のとんがってない方にコツンとヒビを入れます。ただコレだけ。
お湯を沸騰させ、タマゴをいれて、ふたたび沸騰してから、6分で半熟。10分で固ゆでタマゴになります。
茹で上がったら、氷水で冷やすと一層、剥きやすくなります。
下関のお客さまなので、木曜日にタマゴをお届けしているはずである。
新鮮なタマゴをお届けしているので、届いて間がない日は「生食」も良いが、「半熟タマゴ」の目玉焼きが一番、タマゴの味がわかりますからと付け加えた。
「ゆで卵」は、次の新しいタマゴが届く、火曜日か水曜日あたりにと。生産者の勝手な思いを押し付けたが、
「よくわかりました。鶏舎の中からありがとうございます」
との言葉に、生産者冥利を心一杯感じることができた
嬉しいお問い合わせ、ありがとうございます。
あだちまさし。