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大丈夫

ひさしぶりに穏やかな朝をむかえました。強い寒気で厳しい寒さが続いていましたが、今朝の気温は一度。湿度で肌寒さは感じません。鶏の産卵状況が下降線でしたが、やっと上向きへの手応えがあり安堵しています。十月から少雨傾向だったので、断続的に降り続いた冷たい雨と雪のおかげで農園周辺は潤いを取り戻しました。寒さが続くなか、年末年始の水不足での心配事から心は開放されました。

クリスマスと仕事納めを控えた週末。いつものように山口県東部に配達で車を走らせます。いつもより交通量は多く、椿峠を越えると残雪もありましたが、それほど運転に不安はなく、お客さまへのお届けが時間どおりできるかに気持ちは集中できました。

おおむね予定どおりの仕事を終えたのは二十一時頃、朝から働き通しだったので車を止めて仮眠しました。目が覚めると道路はトラックで混雑しています。雪の影響で高速道路が通行止め、そのあと悪いことは重なり、国道二号線が事故渋滞、警察から誘導されるままに進んだ旧道では大渋滞で二時間ちかくの足止めです。

年末の繁忙期、明日からの予定はいっぱいに詰まっています。止まった車中で、守れそうにない予定から順々にお詫びのメールをしましたが、時間の経過とともに心配事は一点に集中していきます。お詫びでは待ってくれない鶏の産卵です。季節柄、産卵ピークは早朝にやってきます。頼りにしている従業員の男性にもメールしました。

心に不安を抱える彼に過度の負担はかけたくありません。しかし、早朝の仕事の気忙しさを頼めるのは彼だけです。迷惑とは思いましたが、午前四時になるのを待って彼の自宅へ電話をしました。ご高齢のお母さんに、彼が心の準備ができるようにお願いするためです。意図が通じていることを確認しながら、事情を伝えたのちに、お母さんから「それであんたは大丈夫かね」と問われ、無事を伝えて会話を終えました。

ゆっくりと進む車列の中で、何度も「大丈夫かね」の声を思い出しました。今年一年、何が正解か簡単には分からない複雑な時代の流れのなかで、「大丈夫」と感じた事は少なかったように思います。不安ばかりに縛られずに、丈夫ないのちを頂いていることへの感謝に気持ちを切り替える、大丈夫へのスイッチを大切にしなければと思いをあらたにしています。

2022.12.26 あだちまさし