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大切なことがわかる心

朝がつらい。毎年のことですが寒い朝の仕事の辛さは正直こたえます。
秋から冬にかけて、体調を崩しやすいのは「季節的要因」が関係していると何かで読んだことがあります。根本的には、地球の軸が公転面に対して傾いているためで、日照時間が短くなるとともに、気温が下がっていくことが影響していると説明されていました。こう考えると、自分だけではないと妙に安堵します。

あたり前のことですが、地球が太陽のまわりをゆっくり公転し、地球自体も日々自転を繰り返していると考えると、大きなはたらきの中に生かされている事を感じ、少し朝のつらさも、おだやかに感じられるようになるかもしれないと、自分に言い聞かせてみたりもします。

鶏の産卵にも「日照時間」が重要な役割を果しています。これは、光の刺激によって産卵に必要な卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが分泌されるためです。鶏は季節にかかわりなく繁殖する周年動物ですが、産卵は春先が活発で、秋には休産する傾向がありますので、光線管理をして約十五時間の日照が必要とされています。

農園でも日長が短くなる季節には、鶏舎の点灯時間を早めて一定時間の光線管理をしていますが、特に日長が短くなる十一月初旬から冬至にかけて、例年少し生産が下降線気味です。今年は秋口までの生産がすこぶる順調だった分、このわずかな下げ幅の影響で予定していた出荷をするのにずいぶん苦労しました。

長く同じ仕事を続けてきましたので、鶏の産卵傾向も含め、おおきな自然のはたらきを理解しているつもりでいました。また、それにあわせた自分の働き方もそれなり手応えを感じていました。そんな慢心といいますか、心の油断から自分ではどうにも出来ない大きな働きを過少に想定したことが原因だったように思います。

日々刻々と激しく移り変わる厳しい社会情勢ですが、ゆっくりとまわる大きな働きのなか、その恩恵で生計を立てさせていただいていることを忘れない、「大切なことがわかる心」がぶれない自分でありたい、そう感じています。

2023.12.23 あだちまさし