月別アーカイブ: 2016年11月

良い菌と悪い菌

朝6時。気温4度。晴れ。最高気温14度。17時すぎには日没するので、朝夕、点灯しての運転に気を使う。

朝は田舎道を走る時に猪やタヌキに気を使い、夕方は混雑する車とハンドルを切る度に歩行者の確認に神経をすり減らす。

採卵を少し手伝い、「カステラ」のチラシを助手席に積んで配達へ。あまり時間にゆとりはないが、出来るだけ丁寧に商品の説明をして、まだ口にしたことがないお客さまのイメージが膨らむよう心がけた。

80軒近くカステラの説明をしたので、頭の中が「甘い」感じに包まれて、13時ごろまで空腹感がまったくなく。

配達中に、10年以上のお付き合いになるお客さまから携帯に着信。

私どものタマゴを購入される前は、吉部で「自然養鶏」を志し、情熱の塊だった青年農家さんから定期購入されていたのだが、大きな台風被害を受けた青年農家さんが廃業し、受注を引き継いだ。

「今年も心配事が増える季節になったねぇ」から電話は始まる。国内で鳥インフルエンザが出たことを心配しての電話である。車を止めて耳を傾けた。

大変な季節になってきたけど、ワシはアンタたちを応援しちょるぞ。その気持ちを伝えたくてわざわざ電話したんじゃ。

鳥インフルエンザのニュースがある度、神経つかうじゃろう。だから、あんたたちを応援したいんじゃぁ。

鶏は地面で飼うのが一番。だから鶏。

狭いカゴに入れとる鶏は、鶏って言わんとケージ鳥と言うんが正しいとワシは思うんじゃが。

あんたは、鶏を飼っとって、鶏の砂肝を知っとるか?

あれはゴリゴリ餌をすり潰して腸におくるだけの肝じゃぁないんでぇ。

地面で飼っとる鶏は、土をほじくって餌を探すじゃろう。あれがエエじゃぁ。わかるかぁ?

地面の土を砂肝でゴリゴリすることでバクテリアが体内に入る。それで体のバランスをとって、良い菌と悪い菌が喧嘩して強い体になる。

鳥インフルエンザに薬はないと言うちょるが、バクテリアを体内で喧嘩させれん鶏は鶏じゃぁないってことじゃぁ。

体内に良いバクテリアがない鶏はインフルエンザと戦えんからのぉ。

俺の言うとることわかるか?

応援しとるけぇ、地面で鶏飼うことやめるなよ。

一方的に電話は切れた。

お客さまの嬉しい電話に励まされた。ただ、科学的な根拠や裏付けはない。

しかし、毎日、鶏と関わっていると、そんな感じは強く受ける。

新潟県で事例が発生した農場が防疫対策を怠っていたかというと、そんなことはないはずである。

今年は新潟からの発生報告。白鳥が多く飛来すると聞いている。

明日から12月。近隣の事業所にご迷惑がかからないよう、しばらく鶏を運動場に放すのはやめる。

適正な面積を確保し平飼いをしている。地面に飼っていることは間違いないのでご安心下さい。

ありがたいお電話。ありがとうございました。

あだちまさし。

カステラのご注文承ります

朝6時。気温3度。晴れ。最高気温12度。夜明け前からFさんと採卵。

体を動かしている時間は感じなかったが、作業場に立ちパック詰めを始めると下半身や背中から体温が下がり思うように体動かず。

特に指先が冷たく、何度も息で暖めらがら鼻水をすする。

予定していた時間より1時間遅れで配達へ出発。

昨日の夕方、カステラ「しんあい農園」のチラシが刷りあがったので、助手席に配達件数分ほど乗せた。

農園の新鮮タマゴを使ってカステラを販売する企画。創業100年の小川蜜カス本舗さまが商品を製造して下さる。

原材料にこだわり、小麦粉、砂糖、米あめ、バター、牛乳はすべて「国産」。

それに加えて、私どもの新鮮「たまご」。

カステラは原材料がシンプルなので「たまご」が味を際出させてくれることを願って。

朝一番のお客さま「小郡のセブンイレブン」のオーナTさま。今朝は珍しくレジ打ちに立たれており、初めてお客さまにチラシを渡し、その場で申込書に「3本」注文をいただいた。幸先良く、大変ありがたかった。

山口市内の美容室さま。広告を見て「美味しそう」と声をあげたスタッフの方につられ、お店のオーナーさまから「2本」のご注文いただき、商品の説明をしている途中、鏡の前に座るお客さまから「1本」追加注文が入る。

お届け日が12月23日になることをお客さまに伝えるとスマホのスケジュールを確認されながら受け取りをかねてパーマに来ると美容室の予約をされていた。

防府駅前のマンションで友人をお取りまとめ下るお客さま。チラシを渡し、商品の説明をすると「国産小麦がいいですね。お友達にも紹介します」ということで8枚チラシをお渡しした。

周南市のkさま。いつもは玄関先の保冷ボックスにタマゴを入れて帰るが、今日は奥さまがご在宅のようでチャイムを押す。

丁度、ママ友と昼食中で、3人おられたお友達も玄関先でカステラの説明を熱心に聞いて下さり、感触が良く嬉しかった。

農園に戻り、市内の配達へ出ると、いつも顔を合わせる老人施設の女性職員さんと、パン屋さんの女性オーナーが「カステラ大好物」と表情が一気に明るくなられた。

価格は1600円。12月10日が受付締め切りで、12月19日から「タマゴ便」にて順次お届けさせていただく予定。

師走、お客さまが喜んで下さるカステラが出来ることを祈って。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし。

勤労感謝の良縁

朝6時。気温10度。晴れ。最高気温13度。今日は「勤労感謝の日」

先日、長くお付き合いさせて頂いているお客さまから、新規のお客さまをご紹介いただいた。

毎週水曜日の一軒目と二軒目の間に通過する船木のお醤油屋さん。

いつも店舗兼、工場らしいお宅の前を通過する際、歴史を感じる醤油樽を横目に見ながら通過するお宅。

前の仕事で醤油屋さんに足を運ぶことが多くあり、仕込みや、ルート配達、後継をされる少し年上の社長さんの試行錯誤をよく目にしていた。

水曜日の朝に、店舗前を通過する度、そんなことを思い出すことが多かった。

店舗のシャッターが閉まった祝日の朝。

恐縮しながらの訪問だったが、奥さまが受け取りの細部にわたってお取り決めのルールをつくって下さり、それに従った。

グリーンコープさまのタマゴを定期購入している都合上、来月からの納品になるが、農園が開園した当初に小学生だった娘さんと足を運んで下ったとお聞きし、少し心が動いた。

共同購入をされている娘さんと相談し「生産者が見えるタマゴが食べたいねぇ」との会話の中から、昔の記憶をたどり、今回の定期注文の運びになったとお聞きし、朝から痛かった腰や肩の痛みが「スゥー」と抜ける感じがした。

先は急ぐのだが、懐かしい醤油の香りにつつまれながら、少し自分の興味がある質問もさせていただき話させていただくなかで、

「創業140年になります」とサラッと微笑まれる奥様に、私では到底、扱えない言葉のひとつひとつに重さを感じた。

鶏卵に関わる私たちを大変理解して下さるお客さまとのご縁が「勤労感謝の日」にできたこと。

心からお礼申し上げます。ありとうございます。

あだちまさし。

11月の汗

朝6時。気温16度。雨のち晴れ。最高気温21度。鼻水をふきながらの一日。

木曜日の朝、グッと冷え込み厚着して仕事をはじめたので、日差しが強くなる度に汗をかき薄着で仕事をしたが、午後から冷たい風が吹いて、少々、風邪気味。

夜明け前のからFさんが採卵を進めてくれたので、私は昨日の仕掛かり仕事と、本日の出荷をドンドン。

先週のはじめ鶏の出荷を終えて、堆肥の袋詰め作業にFさんが力を入れた。空いた鶏舎に3時間の作業で180袋積んである。

農家さんの受け取りの段取りを私がつけ、今日は少し雨が降るが、小野の農家さんに受け取りをお願いしていた。

朝8時すぎ、久しぶりに「たけちゃん」が、いつもの「てご人」の大きな力自慢の男性を引き連れ来園。

作業をしている私とFさんに話しかけながら、忙しく携帯で農家さんに電話をかける。軽トラ一台では片付かないと思われたのであろう。

一応「180袋ありますから」と事前に伝えておいたのだが、今まで積み込み際、袋の数は数えたことはないと思う。

まぁ、そんなことは問題外といった感じで、目分量で仕事を進めて下さる。

一台目の軽トラを山積みで帰り、次に来園したのが小野地区の猟友会の会長さん。

堆肥を積み込む前に、猪の動向などを聞きながら作業の手を動かす。農園の被害を心配して下さる。

駆除なので罠をかけてもらってもお金を払うことはないが、年に1度ほど、廃鶏出荷直前の生鶏を10羽ほど差し上げる。

自分で捌いて、仲間と「焼鳥」宴会をされたりするらしい。次の出荷は年末にかかるので「雑煮や煮しめに丁度ええ」と喜ばれた。

昨日、電話で堆肥を10袋欲しいと頼まれていたタマゴの常連、美祢のMさん。ご年齢は聞いたことないが70代後半ではなかろうか。

今年、おいしい栗をたくさん収穫したので「お礼肥」を果樹にされるとお聞きしていた。

土曜は雨が降るから、日曜日にと、ご本人のご希望であったが、雨があがり早く突然の来園。

明日はゲートボールの予定が入っているのであろう。

たけちゃんがアチコチ電話をかけたので、茶農家の「としちゃん」も休みの息子を連れ、軽トラ2台で来園。

としちゃんが鶏舎に入った時、堆肥はたった20袋。

来週の火曜日に取りに来たいと言われ、Fさんが100袋ほど本日、袋詰めしてくれた。

みなさんの汗に支えられ一日を終えることができました。ありがとうございます。

あだちまさし。

今日は6個

朝6時。気温2度。最高気温16度。秋吉台付近の最低気温より低い。

霜注意報も出ており、日差しが届いて屋根から落ちる霜解けの露の中に薄い氷が混じる。

昨晩のように風や雲がなくお月様がキレイな夜は、これからの時期、要注意。キンキンの冷気と、日の出頃の放射冷却での冷え込み。

夏草の草刈りが終わったかと思うと、今度は厳しい冬にむかう。

先月末に入った雛の初産が遅い。朝の照明点灯時間はマックスまで上げているので、これ以上、鶏を早起きさせると「体内時計」がおかしくなると思う。

ただ、日々、日没時間が早くなり6時前からドップリ暗くなる。

日長時間が長くなる春先にかけては、産みたくてたまらい様子で、雛の産卵率が急上昇するが、この時期、お互い顔を見合わせながら「ホントに産んでエエのぉ?」という探り探りの初産。

時間をかけた分、たっぷり餌を食べ、寒さにむけ脂肪を蓄えた分、初産から卵重がのるまで、あまり時間がかかることはない。

見た目にも鮮やかでプリプリの盛り上がりと張りがあり、これから「寒」を迎える時期、よりいっそうお客さまに喜んでいただけるタマゴを産んでくれる。

昨日、年末の生産量を下支えしてくれる鶏が、やっと「2個」初産し、今日は「6個」。

今月末までにピークまで上がるか心配だが、目の周りの皮膚も赤く染まってきつつあり、鶏冠も次第に大きくなってきた。

「さぁ、産むぞ」の顔つきなってきた若鶏の群を頼もしく感じる。

寒さに耐えながらの産卵。大変な難産で大変だろうと思うが、しっかり12月を支えて欲しい。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし。

セルモーター

朝6時。気温7度。晴れ。最高気温17度。農園も少しずつ秋色に変わってきた。

しばらくストレスになっていたカルディナのセルモーターを昨日、出張作業で交換してもらった。

車を止め、始動する際に「どうかお願い」と「祈る」作業が減り、サクッとかかるエンジンに仕事もはかどる。

出張作業をして下さったのは10年以上の付き合いになる地元の2つ上の先輩。

先輩の長男と、うちの長女が同級生で深いお付き合いをさせていただいている。私と家内の車のメンテナンス。農園と自宅の距離、普段の走行距離などを把握して下さり、適切なアドバイスと、何より安価でわがままな私の注文を聞いて下さるのが有り難い。

園内で365日使うカルディナは走行場所こそ限定だが、鶏舎ごとに始動するセルモーターに負担がかかる。

たぶん、10年以上前になると思うが先輩にお願いして付け替えてもらったリビルトセルモーター。

疲れ果てた部品を取り出し、束の間、昔ばなしに花が咲いた。

前回の取替えは見習いさんを連れて来られ、実習を兼ねての交換。その見習いさんは今年の夏。独立された。

今回の助手は、長女と同級生の息子さん。

昔から顔なじみの明るい男の子だが、さずがに受験生。いい加減な言葉は慎み、少しだけ15歳に言葉を投げた。

ボソボソと言葉を返す彼に15歳を感じた。

先輩がセルモーターを交換する姿を真剣に覗き込む彼に。

何かを手助けすることはできないが、まわり道しながらでも自分の道を見つけて欲しいと強く願った。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

ある先人の言葉

朝6時。気温4度。くもりのち雨。最高気温10度。午後から雨予報だったので涸れ気味だった井戸周辺への散水を止め、ホースとポンプを片付けた。

猪が夜中に出没したり、水不足だったりと、日頃の仕事に加えて、自然に対して「もがく」ような仕事に疲れていたので、今夜の雨で一息つけそう。

農園近くの、秋の大祭も晴天で活気があったとお客さまから聞いている。

私も幼い頃から、秋の大きなお祭りの賑わいの中で育てていただいた。餅つきだったり、大掃除だったり、厳粛な祭り後の宴だったり。

秋の大きな祭りと、私と父の誕生日が前後していることもあり、家でケーキを食べた記憶より「大祭」の思い出の方が多い。

ある先人の言葉に出会ったので、備忘録代わりに打ち込んでおく。

土は生きています。死んだものであったら物を蒔いても出来ない筈である。

土地は生き物です。土地を粗末にしてはなりません。

日のお光があって眼がみえるのである。電燈には電燈代が要りカンテラには油代がいる。

見さして頂いている日のお光に、お礼という電燈代油代を払うていますか。

神様をないがしろにしておいて不仕合が巡ってくると、神も仏もないものかなんていう人が仰山ある。

始めから無いように扱っているから無いように現れてくるのである。

ありがとうございます。 あだちまさし。

窮屈な思いさせました

朝6時。気温・・・よく見てないが7度ぐらいだったと思う。寒かった。

予定より2週間遅れで鶏の出荷を終えた。数日前に出荷時間が急遽早くなり、仕事の段取りを最初から組みなおしての一日。

最近、手首が痛く、出荷の作業ができるか不安だったが、なんとか終えることができ安堵。

集荷時間が早まったので、昨日は、かなりボリュームがある日曜日になった。ただ、Fさんが予定を作ってくれ、それに従う出荷作業。感謝。

手首の痛みをかばいながらの作業だったので、今まで感じたことのない強い腰痛があるのが気がかり。

少し気が重かった出荷作業を終え、思い描いていたバランスが取り戻せそうで、気が楽になった。

出荷時間の都合で、農園での最後の夜を捕鳥カゴで窮屈に過ごすことになった鶏には少し心苦しいが勘弁して下さい。

一年間、様々な経験をさせてくれた群にお礼申し上げます。

ありがとうございます。

あだちまさし。