秋の訪れを告げる彼岸花。
農園の入口の大きな柿の老木の根元に毎年、顔を出す。老木も彼岸花も私たちが営みを始める、ずっと昔から、このサイクルは変わらない。
朝晩、めっきり涼しくなり過ごしやすい気候になってきた。
鶏の産卵状況も上向きになり、鶏が産み落とすタマゴを血眼になって集卵する時期から、これから春までは鶏が産み落とすタマゴに追われる時期になってくる。
Fさんと朝の集卵を終え、草刈機を担ぐ。
刈っても、刈っても振り返ると草が伸びる時期は過ぎた。少しずつ仕事をシフトチェンジしていく。
私が使っている草刈機はホームセンターで5年前に買った背負式。安価で買い求めた分、保障期間が過ぎてから故障がち。
修理は近所の農協営農係の「ヤマモトさん」にお願いするが、ホームセンターで買ったので、いつも機嫌が悪く、一言二言、小言を言われストレスが溜まる。
農協でも同じメーカーを主に扱っているが、ホームセンターで販売されている機械は海外で生産されているものが多いらしく、そんな小言を言われながら機械とヤマモトさんの機嫌をとる。
今年の草刈り初めに、機械がヘソを曲げ、仕方なしに修理をお願いしたところ、「そろそろ寿命かもしれんねぇ」と農協が推奨するパンフレットを差出しながら渋々といった具合で作業して頂いた。
このシーズン、草刈機が一度もヘソを曲げることなく気持ちよく仕事をしてくれ、シーズンオフが目の前に迫った。
だいたい週に3時間から8時間程度、私も汗を流したが、よく草刈機も頑張ってくれた。
自分でメンテナンスできる部分を交換したり、グリスを入れたりして、来年に備える。
きっと、この調子だと来年も「小言」を言われなく済みそうで安堵する。
あだちまさし。