心地よい余韻に浸った

慌しさと心地よさが入り混じる一週間をすごした。

連休前の慌しさ。月末と重なり資材や飼料などの発注作業。いつものことだが連休に入る業者に合わせて鶏の顔色を窺う気忙しさが続いた。

日長が延びていく時期はヒナの初産から産卵ピークに達する期間が短いため、作業が押し気味で突入した週明けから生産をつかまえるのに苦心する。

今月産卵をはじめる群が産卵ピークに達する前、生産と受注のバランスで少し時間が取れそうだったので家内と島原へ帰省する予定を立てていた。

本来なら4月15日あたりが生産的には都合が良かったが、子どもたちの都合が合わず見送った。

義父の命日も近いので何とか墓参りだけでもと思いたち、諦めかけていたが心と体に気合を入れて先週末、家内と長男の3人で出かけてきた。

土曜日の午後と日曜日の早朝出勤、休日出勤などをパートさんにお願いして、ほとんど日帰りではあるが車で往復。

年に一度あるかないかの帰省、それも瞬間移動のような弾丸日程である。

家内や実家のご家族には大変心苦しいが、日没前に何とか島原入りして墓参り。家内のご先祖さまに日頃のご無礼を心から詫びた。

島原には会いたい人、尋ねたい所がたくさんあるが家内を辛抱させているので私の都合を優先させることもできず、いつも辛抱修行のような往復になる。

有明海を渡り島原半島に入ると、窓から潮風入り磯の香りが車に充満して。この香りが心の奥の方をチクチクと刺激する。

なつかしい場所をいくつも通り過ぎながら家内の実家へ急ぐなか、有明町の国道沿いで大変お世話になった上司のお母さま「ヨツエさん」をお見かけした。

公私ともに大変お世話になったが15年以上もお会いしていないので、ちょっと車を止めて世間話というわけにはいかず後ろ髪を引かれる思いで通過。

夕暮れ時、足取りはゆっくりだったが、しっかりされていたようにお見受けした。おそらくお元気だろうと感じ安堵する。

往復、睡眠時間を除く、島原での滞在は5時間。とても短い時間だが、大変ありがたい充実したリフレッシュタイムをいただいた。

心地よい余韻に浸りながら慌しい一週間を乗り越えることができたことに感謝。

あだちまさし。