また脱輪


太いローソクを使わず夜が明けた。涼しい風を窓から受けて快適に水曜日の配達を8時まえにスタートした。
カルタクィーンは下関倫理法人会から講師依頼があったと言う。ご主人とは陶芸談義。信楽と地元の粘土のブレンドについてはおもしろかった。
9時半ごろ田んぼの一軒家に着く直前にハンドルのコントロールを失い、運転席側は稲穂のなかに傾いた。横転してはならないので助手席側から出た。近くで農作業していたご老人たちが6名集まり「また落ちたか」でレスキュー会議ははじまった。
きのう雨でゆるんだアゼに普通車がここで脱輪して傾いた。牽引してあげた跡は泥できれいにしておいたのに…その泥のレールにわたしははまった。ストーリーはわかったがどう上げればよいか、船頭が多くて決まらない。いろいろ格闘して後ろバンパーが大きく変形したとき「息子に頼もう」と老人が言った。息子さんはすぐ近くの車の販売店に勤めている。すぐにベテラン二人が着いて30分ぐらいで田んぼから出してくださった。壊したアゼ道の補修やみなさまへのお礼は「夕方まいります
!」と一礼して配達を急いだ。
夕方お礼の心を梨の箱にして行ったら、アゼ道は修復され危険を示す小旗が数本立っていた。何度も脱輪して、そのたびにあたたかい人の心にであった。曲がったバンパー修理は保険でなんとかなりそう。脱輪物語はいつも感謝でおわる。