心豊かに出雲路を

昨夜の地震。松江市内9階も揺れた。
無料のバイキング朝食だけど松江らしくシジミ汁。炊き込みご飯と野菜をたくさんいただいた。
久しぶりに母の故郷を訪れて感じたこと。たしかに風景は日本中画一的なコンビニ、紳士服やメガネにファーストフード店が出雲路にもある。
けれども道を尋ねた理髪店のじいちゃん。温泉を「わたしなら」と選んでくれた八百屋のばあちゃん。「暑くないか」と気配り蕎麦屋のおじさん。お堀の船頭さん。まだまだたくさんの出雲人(びと)が、出雲弁でとても親切だった。心までは画一的ではなかった。
この出雲で育ち、わたしを産み育て上げてくれた母から、わたしも出雲の血を受けている。それが誇らしく思えた旅になった。

どうしても訪れたい「足立美術館」に8時半に着いた。とても広い駐車場に開館9時をめざしてマイカーや観光バスが入るのだろう。職員さんに「早いですが入れませんか」とわがままに尋ねた「掃除をまだしていますが、それでよければ」と笑顔。入館料金と音声ガイドで約3千円。京都国立博物館よりずいぶん高いと正直思った。けれども館内に入り、日本庭園の評価で12年連続日本一の庭がわたしの前に広がった瞬間、3千円を反省した。これだけの庭園を、隙ひとつ見せない手入れをされる裏方のみなさんに頭が下がる思いがした。所蔵の、代表的には横山大観コレクションを筆頭に数々の作品が大迫力だった。創設者の足立全康。5万坪の敷地に、日本文化を遺された偉業を堪能できた。