15 年目の神戸


兵庫区浜山小学校避難所で約3ヶ月音楽室で寝起きしてお手伝いをした。
今朝NHKラジオの時報にあわせて採卵をとめて東に合掌した。あのとき助け合う人間模様がその後の人生をかえるきっかけになった。
いまでも謝りたいことは、避難所に愛犬を伴ってきた老婆に、ペットは三田市の施設に預けてきなさいと言うた。この犬は家族ですから…とわたしに頭をさげたのに、わたしは受け入れを拒んだ。老婆は去った。
震災のあと愛犬と縁ができた。あのとき音楽室で一緒に過ごそうと言えなかったわたしは、老婆の目には鬼だったろう。
午後から母を見舞った。聞くに耐えられないような言葉でわたしを責める。もう来るなと帰るわたしに言う。やりきれない気持ちになった。あの老婆はわたし以上にかたを落としたことだろう。