日別アーカイブ: 2018年9月25日

秋思

ハッピーマンデーの夜。数日前、大きなスーツケースを抱えて出かけた長男が未だに帰宅せず。金曜日の夜に宇部空港から飛び立ち連休を満喫中だ。帰りを待ちながら、自分の連休の思い出にボンヤリふける。

いまの生活に「慣れた」というと多少強がりになるかもしれない。休日の家族サービスとは無縁で子どもたちには随分と迷惑をかけた。知らぬ間に大きく成長してしまい後ろめたさと、自分の甲斐性のなさに時折、嫌気がさす。

3人の子どもたちは、こんな父親に早々から愛想をつかし、スポーツにのめり込んだ。長男、次男はサッカー。長女はテニス。サッカーの練習や試合は時々足を運び、息子たちがボールを蹴る姿を見たが、長女がプレーをする姿は一度も見たことがない。これが後ろめたさに一層拍車をかける。

夕食時に部活や試合の様子を話してくれるが、私にはスポーツに打ち込んだ経験がなくアドバイスする言葉が見当たらないので、ただ黙って耳を傾ける。中学生になるとスポーツを語る内容が深くなり、話についていけてないのが正直なところ。それに加え、子どもたちを少しは唸らせたいという「父親の変なプライド」が邪魔をして口を開くのを躊躇してしまうことも多々あるからだ。

こんな気持ちを抱え、子どもたちが未読であろうスポーツ記事を新聞やネットで拾い読みし、家族の知らないところで予備知識を仕入れることに心血を注ぐ。父親としての涙ぐましい努力・・・と、私はそう思っている。

そんな中、最近、気になっているのが全米OPを制覇した大阪なおみ選手。純粋無垢で愛嬌あるコメントの中には刺激が多くある。昨年10月、彼女が自分の弱さついて語っている記事が目にとまった。

「私はテニスをするうえでは自分に厳しすぎるって指摘されるんです。試合中、もっといいプレーが出来たのに、ってイライラしてしまう。気分を切り替えてプレーした方がいいんだよってアドバイスもらっています」

テニスでは、こと試合中に限って言えば自分に厳しいことはプラスに働くとは限らないそうだ。くよくよしていると次のポイントに影響してしまうからだ。全米OPの決勝戦。20歳の彼女がブーイング渦巻くコートでも終始落ち着き、自分のプレーに集中する姿は1年間の「心の成長」の証だろうと感動した。

私も秋思に浸ってばかりではいけないと眠たい目をこする。

あだちまさし。