目が悪くなり


いまでも遠くの看板はよく見えるが、毎日の買い物で賞味期限など小さい文字には苦労する。
豆腐売り場で3個190円の豆腐を買い、朝ご飯で皿にだし黒い液体をかけた。食べたら甘い。メガネをかけて文字を読んだら黒蜜で、これはお菓子だった。犬の腹にダニを見つけてつまんで引っ張ったら乳首だったこともある。
しかし、人の言動をきびしく見る目は衰えない。自分の言動を見る目は完全に衰えている。さまざまな老化と向き合いながら、ちょっとでもよい生き方をしたいと思う。
「よいほうにとりませんか」という色紙の言葉をおもいだした。見たことや聞いたことを「よいほうに受けとめる」なかなかむつかしいが努力している。
作家の山本一力さんが「江戸の粋は、見てわかることは言わない」とも。