走るふく鍋宴会場


神戸震災の1年まであと1ヶ月という頃、松村御大から「おい、神戸に行くど」と電話があった「なにしに行きますか」と尋ねた「お礼。あれだけ学ばせてもらったお礼」長田区菅原市場に僧侶が百名集まり法要がある。そこで5千人のふく鍋奉仕をする。
前日、山口放送磯野恭子取締役に計画を伝えた「その車に取材班を便乗させてください」トラックとバスは徹夜で神戸に向い、われわれは大騒ぎの大宴会をやりながら朝6時に着いた。それからお昼まで懸命に働いた。全部が終わったのは夕方5時ごろ「みんな、きょうはこれで辛抱してくれ。あらためてふくを必ずご馳走する」と御大ねぎらい挨拶。おにぎり3個とワンカップ酒3個が配られた。
帰りは疲れて宴会は小規模。朝6時に南風泊にもどり、鍋など洗って全員出勤した。菅原市場から午後2時ごろ取材班は消え、夕方の番組で映像が出たらしい。
物事の価値観はさまざまあろうが、わたしの美学は疲れて溶けるように眠り。南風泊で後始末をした男たちではなかろうか。そう後日、磯野さんに申し上げた。中越地震のときもふく鍋隊は新潟往復の全行程が宴会で、わたしは二日酔いだった。
きょう周南からもどる高速道路で熊本の陸自が災害派遣をつけた車列でふるさとをめざしていた。やり終えた姿は美しい。