仕事冥利の木曜日


昨夜は低温注意報だった。全鶏舎の排水を夜中に防寒着と懐中電灯でやった。山にあかりを照らすと赤い目が光る。キツネかタヌキかイノシシかわからないけれどわたしはみつめられていた。
朝は5時からマイナス3度のなかで仕事をはじめた。犬の水入れがカチカチに凍っていた。わたしの身体で寒さに一番弱いのはちぎれる指先がないのに「ちぎれるほど痛い」中学時代に花火で欠損している左の人差し指。うみたてのタマゴを左手で握ったり、鶏を捕まえて羽のなかに指を入れたりしながら冷たい痛みをまぎらわす。
和菓子の老舗「松琴堂」では「待っていましたよ!」と若女将から声をかけていただき「あの米店」ではひと足はやいクリスマスチョコをいただいた「うどん・よしの」では熊本名物の干し柿も激励でいただいた。朝の冷たさも、木曜の運転もたくさんのみなさまの声援で仕事冥利にとけてしまう。明日の冷え込みは緩むようで今夜は8時間以上の睡眠になろう。