菊川さんと手を握った


・・・菊川さんとは、これからもこんなふうに、ときどき共催の展覧会をやりたいと思う。いわば姉妹画廊というわけである。東京・現代画廊・洲之内徹この直筆が印刷された「洲之内徹を偲ぶ展(没後20年)」というご案内を菊川画廊からいただき、この機会にお会いしたいと強くおもい夕方画廊を訪れた。
10数年前にご縁をいただき、菊川さんとはいつも酒を仲間にして人生を語り、芸術の世界を聴かせていただいた。58歳になったという。画廊を現在の場所に移して7年、家族と別居して画廊で自炊しているとはじめて聞いた。自分らしく生きるために1年半前から酒をやめた。夢でも酒が出てくるらしい。コーヒー豆を砕きながら襟を正されるような言葉をたくさん言う。人や周囲に影響力を持つより、自分の人生を丁寧に歩みたいという最近のわたしの心境とイコールが多く、彼の言葉に気持ちが高揚した。絵描きも入選の肩書きではなく、よい作品で勝負する絵描きを世に出したいと、彼も儲からない道を歩んでいるようである。
ダスキン創業者は「われ損の道を行く」とも遺している。今夜はうれしく眠れそう。