歴史に「もしも」はないけれど


「坂の上の雲」最終章が4日からはじまった。旅順港のロシア艦隊を二百三高地を奪い、山頂から陸軍が艦隊を壊滅。大西洋を旅順に向かうバルチック艦隊を旗艦三笠をはじめとする日本海軍艦隊が迎撃する。その要は乃木大将率いる陸軍が高地をとれるか否かにあった。歴史に「もし…」はタブーかもわからないが、二百三高地をとれなかったら間違いなくロシア植民地に日本はなっていた。
今月12日、BS午後9時から仲代達矢(乃木)丹波哲朗(児玉)の名コンビで映画「二百三高地」が放映される。長府乃木神社に「二百三高地の土」が祭られている。おびただしい戦死兵の血が、降雨のたび山から流れた。その土である。映画では胸が痛くなるほど日本兵が倒れる。その犠牲で高地は墜ちた。乃木の息子2名も戦死した。日本を守るために命をかけた先人を尊敬しなければならない。
参議院で、中山恭子議員が静かな口調で、ブータン国王行事を欠席した防衛大臣に「日本の心」で姿勢をただされた。自衛官や地方公務員など被災地に「公」で赴きご遺体収容などの任を果たした。その自衛隊をつかさどる大臣がブータン国王の公務をキャンセルして同僚の政治資金パーティーに出たのは、たんにダメ大臣というだけではなく総理の任命責任を問われて当然。
一途に坂の上の雲に向かった、この国の礎となられた人々に申し訳ない。