毎日を悔いなく


海将(小野田市の居酒屋)は数年前、新聞記事の農園紹介記事を読まれて「同じ買うならおたくにお願いします」とご用命いただいた。若いご夫婦が繁盛店を営まれている。ご期待に添いたいとわたしも気合がはいるお店のひとつである。小学生のお子さんが野菜をプランターで栽培する趣味があり、わたしが育てた苗を持参したりよい間柄だと思っている。奥さまが「お土産ですよ」と北海道のお菓子をくださった。大将に聞いたら従業員と行ったと言われる「雪で大変だったでしょうがこの時期は」と精一杯の気持ちでお礼を言うたら「はぁ、スキーに行きました?」スキーを知らない者が言う言葉だった。
ラジオは終末医療現場で身体の痛みをとる治療と、心のケアをする両輪が動いていることを知った。登場されたの方の体験は、未知の世界に旅立つ不安をどう受け止めるか。最後まで生きるお手伝いをすること。末期のおばあさんに「わたしもあとから往きますから待っていてください」と手を握ったら「天国のどこで待ったらいいか」と問い返されたこと。一番感動したのは数多い患者さんのなかで、末期のおばあさんをケアするなかで、この方がご自分をとりあげた産科の女医であることがわかった場面の話しだった。ご臨終までえにしに結ばれたおふたりの場面を聴いて、最後まで生ききること。花園に行くか風になるかわからないけれど、最後の息をとめるまで一生懸命に生きたいなあと思った。