村崎修二さん訪問


火曜・水曜に木曜と配達件数と走る距離が増え、金曜の朝起きるのは腰の痛みでつらい。きょうは下松行き。配達を終えて3時の約束で、猿舞の村崎修二さんを訪ねた。時間どうりに田尻のもと農協(ここが本拠地)に着くと道路に出て待っていてくれた。さっそく目的のキジ養殖現場に村崎さん運転で向かった。もとは精肉店をしていたという70歳をすぎた、山羊のようなアゴ髭をたくわえた老人が地下足袋姿で迎えてくださった。わたしはキジがどれだけ儲かるかを知りたかったが「2000羽はおるでしょうが、儲かる商売ではない。肉はうまいけれど経費から積算したら高くなり売れない。いまは放鳥用の飼育が主な仕事です」ツルハシで山を切り開き道をつけたと苦労話を聞かせていただき、わたしの苦労など足元にもおよばないと感じた。
村崎さんのお宅に行き、3頭の猿をみせていただき、日本各地の太鼓が20以上並んでいる稽古場で即興でその全部を打ち鳴らす迫力の太鼓を聴かせていただいた。まさに旅芸人の真骨頂だった。民族学者の宮本常一に「ムチで型にはめる猿の芸ではなく、猿が猿として演じるような猿ひきになれ、そしてその芸で日本中を歩くと各地ですばらしい人とご縁ができる」そんな話しをしてくれた。いまの家庭教育、親がまるでサーカスの調教のように子供を教育する。その子が一番やりたいことで輝く場面を見出す努力が要る。そんなことを話しを聴きながら感じた。