米の味!

美祢市の「よしの」に用があり9時半に立ち寄った。11時の開店準備で夫婦は慌ただしい。
過疎の美祢市で、午後には「完売御礼」札をさげる繁盛店。手を抜かずに手をかける姿勢が繁盛の裏打ちしている。
昼にはカウンターもテーブル席も客でうまり、糸賀社長や松原ホタテマンたち、親しい仲間が座っても会話ができないぐらい慌ただしいらしい。
オニギリを奥さまがたくさん握りながら「どうぞ!」と熱々のオニギリをアルミホイルで出してくれた「塩だけです」と。この店の米は新潟の指定農家米、しかも炊きたて。間食しないわたしも食べた。なんと米がうまい!

美祢市の山奥。一番奥に老夫婦が週6個のご注文。ばあちゃんは寝たきり。
じいちゃん(80歳ぐらいか)は普通車を運転して美祢に買い物や病院に行く。何度も自損事故で危ない運転。けれども、背中は曲がっても気持ちは若い「大丈夫いや」とタクシーをすすめたわたしに不機嫌顔。
車を手放したら、山奥で手足をもがれて生きる不安な気持ちもよくわかる。

20年ぐらい前。広島県の山間地域を訪れたことがある。モダンな町営住宅に老人が集められていた。
点在する老人の住まいに上下水道や道路整備などインフラを整える費用に比べたら、住居などを提供して一ヶ所に集めたほうが効率がよい。
開拓時代のインディアンのような処遇だと、そのときは思った。

地域や国の繁栄に尽くされた高齢者がさまざまな不安を抱いて、声をあげるすべもなく生きておられる。