母は熟睡

約2年まえ、介護のランクを決める日、たまたま母の受け応えがよく「5(最高)」から「3」にランクが変わった。普通なら「快方にむかい、よかったね」になるが介護がこの数字で大きくかわる。
「3」は自宅介護が原則。自宅で看ると、それが長期になると困難が予測されるから再審査をお願いに行った。あの日は偶然意識がハッキリしましたが、あの日はたまたまですからと言っても取り合ってもらえなかった。
ケアハウスをさがしたが順番待ちで途方にくれたとき、月々の利用料金は少し高いかもわからないが、建築中のところがあり、そこに入所するまでの移行期間としてならば、自宅に戻らず入所できることになった。
母は新築のケアハウスに入ることができた。ディサービス(娯楽)もあり、毎朝化粧をして服を着て食堂に押し車をついて行き、母だけはパンを食べた。パーマをあてたいと言うから美容師さんに出張してもらったり。農園御膳を届けたら満面の笑みをこぼした。
先日、医師から末期の腎不全と宣告され、1年と半年暮らした部屋を出て病院に移った。
午後から家内とお世話になった部屋の後片付けに行った。
入るとき「やっと入ることができた」と運び入れた衣類などを、今度は、もう使わないから処分するために運び出した。活躍した杖や押し車も主を失った。家内は近々、精算に訪れるがわたしはもう来ることはない。お世話になりましたとお礼を申し上げた。

母を見舞った。ナースセンターの真向かい、ひとり部屋でドアは開けられている。
熟睡と昏睡のちがいはわからないが眠りは深い。体をゆすり目を覚まさせて少し会話ができた。明日の朝食時間には行って食べさせたい。
母の毎日を太秦教会に報告(お届け)している。安らかな今日がおくれることを神様にお願いしていただく。もちろん私も神様にお願いさせていただいている。