読書がおもしろく


古川薫によると乃木を司馬遼太郎は「殉死」で愚将であらわしていると「斜陽に立つ」で書いていた。その殉死(文春文庫)を買ってきた。気持ちが熱いうちに両方を読み比べてみたい。
わたしが一番好きな新田次郎「芙蓉の人」は、夫婦愛で読まずに、わたしは志が国家を動かしたと読んでいる。私費を投じて富士山頂に観測小屋を野中到がつくったのが明治28年。同時期、乃木は40歳をすぎて明治27年に陸軍中尉に昇進している。物価高騰・年金問題や拉致問題を棚上げにして辞めた総理。政権やら総理の座に懸命な政治家。明治は私財を投じてでも国家、国民のために動いた人物があった。いまから100年あとに、この空虚な政権闘争がどう評価されようか。