加奈ちゃんスマイル

萩に向かう7時前、NHKラジオに仲代達矢が15分登場した。
切腹や二百三高地の作品など名演技に魅せられわたしの好きな俳優。
俳優養成所時代から81歳の現在までをざっくり語られた。
例えばお茶を飲むシーンひとつでも、カメラの前や舞台では不自然になる。大勢の前で台詞を言うことも容易ではない。
そこで自分を変えるために、養成所に通う電車の車内で毎朝「わたしは俳優を志望している者です。この場をお借りしまして戯曲を朗読させていただきます。お許しください」と戯曲や詩の朗読を2年続けた「あの2年がわたしを育てました」と結ばれた。
成り行きで生きてきたわたしには、もうやり返すことができない悔しさと、まだこれから自分をつくらねば。という思いにさせられた。

美祢の黄さん。きのう韓国から戻られたらしいが元気にわたしを迎えて下さった。お届けのタマゴを奥さまに渡し椅子に腰をおろした。床はオンドル(温水)暖房であたたかい。
約30分、お互い最近心を動かされた出来事を交わし腰をあげたら、黄さんが紙袋を差し出した。
中身は韓国土産の海苔と安東(韓国文化世界遺産)の焼き物。それと井筒屋の包装紙。韓国土産はありがたいが井筒屋の意味がわからないから尋ねた。
4年まえ、直接黄さんには関わりのないことではあるが、わたしの行為を胸に刻まれており「よい結果になりましたからお礼の品です」と改まって申された。戻って井筒屋をあけたら立派な木箱におさまった品だった。わたし生涯の宝物になる。
嬉しかった他人の行為はしっかり心に刻み、機会があればお礼の心を伝える作法を体験した。わたしもそう生きなければならない。

午後から再び美祢市。桜祭り会場でパン屋出店の加奈ちゃん応援。家内がはりきって買った数は9個。
たくさんの種類を数多く焼き、ふたりの子連れで小雨まじりの寒風のなか加奈ちゃんスマイルがよかった。