日別アーカイブ: 2013年11月20日

大地の子

福岡県矢部村ご出身。栗原三男さんに30年まえに聞いた。
農家の長男は田畑を継げる。継げない三男のボクは満蒙開拓義勇軍として新天地に赴いた。必死で働き、現地で結婚し二番目の子供は極寒の夜、ボクがとりあげた。敗戦。引き揚げの途中、その子は亡くなった。嗚咽された。

いま紛争により難民となり国境をさまよう人々の映像をみるとき、栗原さんの嗚咽を思い出す。
フィリピンや東北被災地でそうだったように、国際的に支援の手が差しのべられ食料、医薬品にテントなどが陸・海・空から届けられる。
しかし難民は紛争から逃げまどう。ひとつの希望もなく。

先日NHKテレビ クローズアップ現代が、時間延長して「小説に命を刻んだ・山崎豊子最期の日々」を放映した。
「私はこれまでいろいろな取材をしましたが、泣きながら取材をしたのははじめてです」作品「大地の子」について山崎先生の回想録音が再生された。

10年ちかくの歳月をかけ、日本人も中国人もあまり知らなかった孤児を活字として世にだされ、そこから平和を叫ばれた。

「大地の子」や遠藤誉「チャーズ」をむかし読んだ。けれども、もう一度読まねばならない気持ちがわいてきた。
単行本で三巻買えば約5千円。配達の小野田市にある古書店に立ち寄ったらあった。三巻で315円だった。

水曜日の宮尾八幡宮朝参り。まだ宮司に出会ったことはない。参拝をすませ本殿脇の木箱のふたをあけると短い読み物がある。それが参拝の楽しみ。私の悪いクセは、宮司とバッタリ会ってしまい雑談を交わしたら、話の内容で尊敬することもあり反対のこともある。つまり本質を見失う。
今朝の紙は。東井義雄先生の話より。

ある高校の水泳大会で、小児麻痺で足が不自由なA子さんがからかい半分で選手に選ばれた。A子さんは辞退しないで大会に出場した。ぎこちない泳ぎにプールサイドから笑いと野次でおお騒ぎ。
そのとき校長が背広のままプールに飛び込んだ。校長は懸命に泳ぐA子さんに「頑張れ」の声援をかけ続けた。その姿にいつしか生徒たちも粛然となった。
朝参り、さわやかなおかげを神様からいただいた。