日別アーカイブ: 2016年10月27日

朝6時。気温15度。晴れ。最高気温20度。採卵をFさんに頼み。私はパック詰めをして、7時半から変則的なコースでタマゴの配達をする。

11時ごろ農園へ帰り、パートのYさんと作業の続き、手を動かしながら「山のテンカチ畑」の様子を尋ねる。

「猪が暴れて・・・」とため息。今年は今まで食べなかった「オクラ」が被害にあったとお聞きする。

昨日、F井さんも「猪」の話題で、日頃は温厚な人柄なのに少し鼻息を荒くされた。

防獣対策に掛かる費用。電気柵を張ると下草がアースになり電流が逃げてしまうので下草刈りが増える。年齢が増すごとに増える、費用と労力。

同じ過疎地で生産活動をする者として、深く出来るが「駆除」には猟師さんの手助けがどうしても必要。

そんなことを考えながら仕事をしていると、13時前ころ「吉部猟友会」の猟師さんが2人来園。

稲刈りが終わった頃から、今まで荒らされてなかった民家周辺が被害にあっているらしく市役所へ相談があり、被害の状況を確認したいとのこと。

農園は吉部にドップリなのだが、住所は小野。昔、猪の被害が次第に大きくなった時に腕の良い吉部の猟師さんに相談したら「小野の猟師に頼め」と断られた。

そんないきさつを話し、二人が「いまは大丈夫」という。「銃は撃てるか」と尋ねると、「駆除の許可があるので365日撃てる」とやや自慢げ。

今まで農園では8頭を駆除してもらった。猟銃で2頭、箱罠で5頭、くくり罠で1頭。この地区を担当されている3人猟師さんとお付き合いしてきた。

岩川地区で駆除をされているAさん。かなりご高齢。くくり罠専門で長年、農園付近の山に入られているので地形や猪の動きに瀬通されている。

くくり罠をかけると頻繁に足を運んで下さり、大変ありがたい。ただ、その都度、農園の作業場に腰を下ろして「武勇伝」を話されるので少し作業効率が悪くなる。

ご高齢にも関わらず毎年結果を出されるのには頭が下がる。しかし、なぜか農園での駆除はゼロ。割と最近、罠にかかった猪にとどめを刺そうとした時に小指を持っていかれた。

一番頼りにしていたTさん。日中、決まった時間に顔を出す猪を2頭猟銃で駆除してもらった。

稲作農家さんからの紹介でお付き合いをさせて頂くようになったが、その方の仲立ちがなかったら仲良くなることできなかっただろう「クセ者」。

駆除対象の動物を見事に撃たれ、猿の駆除に関しては有名で。Tさんの姿を見ると猿が山に逃げると評判だった。

いろんな事を教えていただき、可愛がってもらい大変感謝している。

猟銃の腕前、捌きの腕前、どちらも達者で、時々、タマゴと物々交換する「猪肉」は最高の味だったが、少し前に亡くなられた。

今、小野のまとめ役はMさん。電話でお願いすると箱罠とくくり罠を仕掛けて下さる。ただ、本業が忙しく週末以外は小野を空けらることが多いので「時々見てね」と私に頼まれる。

くくり罠の位置は山の中でよくわからないで、返事をしながら目が泳ぐ。この方が捕獲したのが「70キロ越」の巨大なオス猪。

軽トラの荷台に運ぶのをFさんが手伝った。週に一度しか覗かれないので、いつ仕留めたものかわからず。

手負いの猪が一番危ないのは知っていた。片足がなくなっても殺気立つ猪は必ず人を襲う。

くくり罠を力一杯ひっぱり、罠をかけた大木が斜めに傾けながら息絶えた大きな猪をトラックに運ぶ様子に背筋が凍った。

この後、安易に罠をお願いするのも辞めた。

11月からは猟期に入る。2人の猟師さんに、今までの顛末と、だいたいのポイントを確認していただき、「猟犬」を使うので山の地主が分かれば教えて欲しいと言われたので、私の知っている限りのことは伝えた。

「日没までは撃てるから」と携帯番号を渡し帰られた。

頼もしい方とご縁が出来て感謝です。

あだちまさし。

トッピンのギフト

朝6時。気温16度。くもり。最高気温20度。蒸し暑さを感じながらTシャツになる勇気もなく。

朝の採卵作業を後押しして配達に出る。一軒目の万倉のお客さまへお届けし、おばあちゃんから「今日も気をつけて」といつもの嬉しいことば。

少しだけルートを外れ、昨日お願いしていた「トッピンギフト」を受け取りに「栽培屋さとぅ」さんへ。

ギフトなので出来るだけ見た目よく詰め合わせてとお願いしていた。「こんな感じです」と見せてもらった箱に収まる野菜たちに心が躍る。想像以上だった。

ギフトケースを斜め後に置きながら配達中に「新鮮」「情熱」について思い返す。

3年ほど前から同世代の農家さんとお付き合いさせていただいている。

圃場に足を運び、わずかだが野菜を仕入れさせてもらい私どもの直売所で売った。お客さまの反応は上々だったが、宅配している全てのお客さまに宣伝できるほど商品が確保できず。

当初、頭の中で算盤を弾いたほどの結果が出ない。堆肥を使ってもらっていることに感謝はするのだが、損をしてまでお付き合いすることはない。正直、そう感じた事もあった。

ただ、農家さんは、誰にも理解してもらえないと感じていた私の失敗談にもよく耳を傾けてくれる。失敗して大きく前進したかといえば「そうでもなく」の経験ばかりの私なのだが。

そんな失敗話を共有できる人は今まで居なかった。

天地の働きの中に身をおき、汗を流すも、結果に一喜一憂する毎日。

配達、農園での仕事を終え、信頼できるプランナーさんへトッピンギフトをお届けした。

農家さんの思いと私の正直な思いを、信頼できるプランナーさんに少し強めにぶつけ、聞いていただいた。

自分の中で大事にしてきた「新鮮」「情熱」に少しだけ自信が持てた時間。やはり現場だよなぁと。

今日は近所で良い商談もいだだき、帰宅はかなり遅くなったが心地よい。ありがとうございます。

あだちまさし。