日別アーカイブ: 2015年7月14日

Eテレ経済学を見て

30年ぐらい前、日本速記協会の会報「日本の速記」に 悪貨が良貨を駆逐する という見出しで、明治以降、速記者が速記符号で腕を磨きあい会議録調製のレベルをあげた業界に、ずぶの素人がワープロと録音機を抱えて乗り込んだ。わたしも、この時間単価の高い、利益がでる。しかもお客さまは地方自治体だから銀行の受けもよい「いまの単価より1時間あたり1万円安くなります」と言いながら容易く取り引きを拡げた。その風潮を憂いて「悪貨」と表現をした。わたしの会社の仕事は幼稚。けれども発注側にはできばえを判断するガイドラインはなく、あるとすれば唯一が単価。
その後、製品の内容をよくする努力をはじめ(社員研修など)たら、到底安価では納品できないことを知った。その頃、安値を旗印に各地で真似をする業者が雨後の竹の子状態であらわれ安値の営業に、今度はわたしが苦労した。
私の安ければ売れる。の姿勢と、安いほうが予算的に助かるという自治体の思惑「利益」が一致した。その結果は、単価は高いが品質の高い業者が排除された。いま思えば反省。
安い品物と高い品物が、消費者に比較できて判断できる社会の仕組みがあれば、もの作りで生きていける人の道があるように思ったのは、昨夜のEテレ経済学を観たから。
国力をあげるには価格より中身を歓迎する風土をつくることだと自戒をこめて思った。

台風の直撃予報。ビニールハウス農家や果樹農家。海で養殖を営む人たちは不安だろうと思う。農家も台風対策に着手をはじめている。