太郎さん化膿がはじまる

月末の1週間は集金がある。いつもより時間がきり、お昼にはいつもより30分ほど遅れていた。
最後の「よしの」に着くころには遅れがほぼなくなり定刻の3時すぎだった。
わたしがカウンター席に座ると店主は後始末の手をとめて隣に座る。奥さまは洗い物をしながら耳と口は井戸端会議に参加をされる。毎週恒例の40分。
この時間を何年も積み重ねて、あらゆるジャンル特に歴史は学者肌の読書家店主から、わたしの歴史観にたくさんの影響をあたえてくれた。
奥さまは飯舘村が故郷。わたさと店主が原発について議論していると鋭い意見をされる。
酒も飲まないのに下ネタ談義になると無視。
今週、ご夫妻は1年よく働いたことにケジメをつけようと、夕食をメインにしてビジネスホテルに泊まられた。その店が、料理も器も酒も、おもてなしも全部が、これまで夫妻で全国を食べ歩いた(店主は生保支店長)なかでも満足度が一番だった。その話題できょうは終始した。今月からその店の味を楽しみに行く積み立てをするらしい。
「よしの」から農園に戻る途中で獣医さんに立ち寄り化膿どめ内服薬を10日分買った。診察なしで、わたしの診断で買える。太郎さんの顔が昨夜から腫れはじめた。高齢で細菌の抵抗力がない。
美祢から農園までの山越えをした。バス停に農園で体力仕事をこなした「みゆき」ちゃんがバス停で帰りのバスを待っている。彼女の自宅までストレートに車で走れば農園から15分ぐらい。けれどもバスは過疎の地域をめぐる。みゆきちゃんは約1時間バスに揺られる。配達さきでいただいたお菓子などを、バス停で腰をおろしている彼女に渡した。聴力にハンディがあるから会話もできないが笑顔で「ありがとう」を伝えてくれた。