日別アーカイブ: 2014年12月2日

寒波到来

前の仕事は市町村議会の会議録を、録音テープで受注して文字におこして印刷製本をした。
毎年予算編成の時期に「見積書をお願いします」と担当者から言われた。録音テープ1時間あたりの単価をもとめられる。会社創業時の単価は24000円。20年後に辞職するときは16000円まで単価は落ちた。理由は、会議録の作り方も知らない印刷所などを見積に参加させたこと。担当者は「良い製品を安くつくることが業者の責任」とまで公言した。頭の悪い担当者で、そのような矛盾が成立するわけがない。事実、山口県内の市議会会議録を安値で落札した印刷所の女性経営者が受注したあと、落札単価で引き受けてくれないかとわたしに泣きついた。
長時間におよぶ議会の録音テープは、大勢の人がテープ起こし(正式には反訳と言う)に携わる、その結果に句読点や段落、漢字に平仮名や片仮名などが首尾一貫不統一があってはならない。個人の主観が正されるよう、有識者を招き社員教育に力をあげた。これは大切なコストになる。

役人の無能力で発注する工事やさまざな業務の質が落ちる。どこかで、見えないところで手を抜かなければ社員を養えない。
わたしの会社は、不本意ながらパート社員と在宅アルバイトを多くせざるをえなかった。
公共事業、役所から受注して生計を営む会社の数は膨大だと思う。正規社員とか非正規雇用と政治家の議論はあるが、よい品質を目指す議論が深まれば雇用問題は少しは前にすすむ。

とても寒い1日だった。農園に戻るまえに山口市内のガソリンスタンドに立ち寄った。強風のなかを小雪がチラチラして、満タンにする時間でも震えた。スタンド従業員は寒くて唇がふるえていた。
いよいよ寒さが本番になった。