日別アーカイブ: 2015年1月27日

農園の木々に物語

JR湯田駅に近いおばあちゃん。広い庭で一年いつも草木の世話が生き甲斐。わたしは、草木は人の手をいれない自然が一番美しいと思い、草木も生きるのに都合のよい形になると思っている。見栄えを求めるのは人間の感性でしかない。
ハナミズキが庭の隅で育っており、落ちた種が数年で1メートルぐらい大きくなり「掘ってかえりんさい」と毎週言われるのでスコップを持参した。
マッカーサーが本国帰国を命令され、日本を離れるとき赤坂の乃木邸にアメリカハナミズキを植えた。それが巨木に育っているらしい。マッカーサーは幼少の頃、乃木大将の二百三高地攻めを父親と滞在して見た。明治天皇崩御で腹を切り夫妻で殉死。尊敬する日本人の一人だったらしい。
夕方、移植したハナミズキの周囲はサザンカやツバキにサツキがある。これらは市町村合併で小郡町役場周辺が大規模に整備されるとき、それまでは手入れされていたがユンボで掘られゴミになる運命になった。その植木の命を守ろうと数名が工事現場に入り植木を自分のトラックに積みはじめた。わたしにも「来い」と電話があり軽四トラックで行った。どんどん捨てなければ工期に影響を心配する若い現場監督が我々を排除しようと怒鳴る。そのとき作業のおばさんが「捨てに行く手間より、持って帰りたい人にあげたほうが早く片付くとは思わんかね」と監督と我々の間に割って入った。おばさんが利に叶っている。30分の停戦協定が成立した。
ユンボオペレーターがみなさんのトラックにどんどん掘ってのせた。わたしは軽四だからたくさんは積めなかった。あれから10数年、ほったらかしで元気に育っている。ハナミズキも、あとは自力で育てばよい。
昨年の今ごろ、今村さんの自宅で育っている「ぽぽう」の苗木を2本掘って農園に「実がなったらヨーグルト味だから」と持参された。1本は枯れたがあとの1本はついた。
農園スタートのときお祝いでいただいた「朴」は巨木になった。
お掃除仲間と川土手に植えた約20本の佐伯桜も成長している。
10年後の成長は見ることができないかもわからないが、育ちたいように枝を張ればよい。