母のこと


レンタル「おとうと」を昨夜みた。姉役の吉永小百合と弟役の鶴瓶の姉弟愛。わたしの母(長女)の母が奉公に出るころ生まれた三男の潔。姉弟の関係も希薄だったが、わたしが物心つく頃から「姉さん」とあがり込んでくる潔おじさんの記憶がある。
北海道から飯塚まで、炭坑を渡り歩いた。銭湯で背中の丸い傷痕を聞いたら、喧嘩でビンで刺されたと言った。半分しかない手の親指を聞いたら、保険金がもらえるからトロッコの車輪でつぶして酒代にした。我が家にあらわれるときは金に困ったとき。潔がきたと母も困った。ヒロポンで捕まったこともある。最後は12歳年上で子沢山の老婆の家で亡くなった。葬儀に母と博多に行った。あれだけ母に苦労をかけたが血がつながっているだけの弟の最後に母は嗚咽した。
ビデオを観おわり、まるで寅さんのようだったおじさんを重ねていた。血は無条件につよい。
夕方、呉明美さんコンサートの応援打ち合わせに黄栄作さんが、小倉から山口のご自宅に帰る途中寄ってくれた。なんでも話せる仲間との時間は幸せ。