糸賀さんお見舞い


6階の個室に午後うかがったらベッドに糸賀さんはおられなかった。お付き合いは長い。とにかく面倒見がよい人で、多忙な毎日は他人の心配。頼みもしないのに農園タマゴを広範囲に配られて営業していただき、よいお客さまは増えた。
お掃除がわたしとの底辺にあり、生き方を話し合えるよき先輩。最近は城山三郎の本をたくさん貸してくださった。歴史についても教えていただくことがたくさんある。わたしができることは面会だけ。お留守で困っていたら向かいの病室から青年が笑顔をむけていた。
なんとなく糸賀さんの雰囲気だから「もしかしてご長男か」と話しかけたらそうだった。美容師の彼は年末に急病で同じ階に入院した。社長(父親)は自宅に風呂にもどっている。親子で入院。
配達中にもどった糸賀さんからお礼の電話。わたしは「これ以上の最悪はないから、あとはよくなるだけですよ。来月6日に五木寛之が講演する。300人の定員に申し込むから、チケットとれたら一緒に行きましょう」と言うた。とにかく元気になってもらわねばならない糸賀さん。