三畳小屋の伝言


河村隆子さんから「三畳小屋の伝言」(新風書房)を拝借した。今村均 陸軍大将は巣鴨拘置所から出て、自宅の庭に三畳の小屋を建て、亡くなるまで14年間をここで生きた。劇団四季「南十字星」映画「島村中将」「ムルデカ(インドネシア語・独立)」など今村大将の博愛精神が題材。殺戮のかぎりの反対側で戦いを生きたが、巣鴨の独房と同じ三畳。それは自身が「自分は法律では裁けない罪人」として生きた。嘘をついて生きることに懸命な今の時代に、背筋が正された。
老夫婦の奥さまが緊急入院された。ご主人は「家内のバカが去年の検診結果が悪かったのを隠してから!」と憤っていた。わたしには、主人をひとりにして治療はできないと腹をくくられた奥さまのように感じられた。