老夫婦の毎日


母には2人健在な妹がいる。すぐ下は神奈川県、その下は兵庫県。横浜の妹(90歳)の訃報が昨夜届いた。母は長女で早くから奉公に出され家族との深い関係は薄く、世間ほど姉妹のつきあいはしなかった。その愚痴は言わない母。訃報は伝えない。
美祢の山奥。小豆をゴザにひろげ、ばあちゃんと猫もゴザに座り日だまりでより分けていた。わたしもゴザの端に腰をおろして山をみあげた。
じいさん(80歳)は毎日同じことしか話さん。1日に二言か三言。朝起きて「きょうは何日か」朝飯のあと「きょうはなにをするんか」後は黙ったまま。
先日、じいさんの運転で買い物に行ったら親しげに話しかけてくるばあさんがおった。その名前が、わしもじいさんも思い出せん。4日目の夜、じいさんが寝床のなかで「わかった!」と言った。
わたしは大笑いした。