65軒目のお客さま

朝6時。気温24度。くもりのち晴れ。最高気温31度。今朝の最低気温22度。

昨日、久しぶりの雨が降る。予報以下だったが、朝方と午後から少しまとまった雨がありホッとする。ただ井戸の水位は上がらず。

配達へ出かける前、早朝からポンプを始動させる。川の水位も随分減ってきているので日頃はお目にかからない川岸までポンプを運ぶ。川下を見ると、普段はここから見えない「夫婦岩」が見える。

6時半ごろ出発し、ハンドルを握りながら頭の中で「小野田市内」の地図を広げる。宅急便ではないので、時間どおりに配達することは難しいのだが、たくさんのお宅を伺ううちに「時間どおり」に仕事を進めることで、自分の時間が作れることを実感し、自分にとっての積み重ねに繋がっているように思う。

隔週でお届けしているMさん。ご年配の男性で肺に疾患があり不整脈の薬を常用されている。顔を合わせての付き合いは浅いが、配達時間を早めにして欲しいとの連絡は以前から私の携帯にかかってきていたので声だけは、ずいぶんと昔から存知あげていた。

毎週水曜日、午後からのお届け予定なのだが「今週は、病院に行かんといけんから11時ごろまでには配達してほしい」旨の電話が月に一度ほど私に入り、どういう事情があるかわからず配達をする父に事務的に伝言していた。

父はMさんからお願いされると、順路を変えてまで優先してタマゴを届けていた。かなり時間ロスがあっただろうと想像する。

実際、自分が伺うようになり父の気持ちが少しわかった。実に丁寧なご老人で代金をキチンと揃えて待っていて下さる。玄関先で、小野田市民病院の受付や検査、薬を受け取るのに長時間かかるご苦労を精一杯の声で話させるMさんの声に少しずつ気持ちが動く

Mさんのお宅は65軒目のお届け先。宇部市、小野田市の境を行ったり来たりする40軒目あたりで、近道と遠回りをしてお届けすることは可能なのだが、他にも大事なお客さまが待っておられる。M]さんの後にも15軒ほど配達がある。

隔週のお届けながら、常にMさんのお届け時間を気にしながらの水曜日。ただ、これで悪くないリズムが出来てきたのは事実。今日は、農園での残り仕事前に15分ほど木陰に車を止めて仮眠でき、農園に帰ってからも心のユトリを少々保ちながらの仕事ができた。結果的に自分のプラスになってきていることを、ありがたいと感じる。

ただ、配達時間が少しばかり早くなった分、美容室「ラピス」の平島先生ご夫妻にはご迷惑をおかけすることが心苦しい。大変申し訳ございません。

あだちまさし。