溶けるような暑さ

農園の東側にある岩郷山から太陽がのぼり、午前中の東側から斜めにあたる日差しが一番体に堪える。

今日は祝日なのでIさんが給餌をはじめる9時すぎは全身に灼熱の太陽が斜めからあたり少し体を動かすだけで汗が滝のように流れ出す。

終日ほぼ無風。溶けるような暑さ。

私は一番遠くの鶏舎で採卵をしていたので、大きく右手振って彼女に挨拶をし、ゼスチャーで「給餌は少なめ」と伝え、ウンウンと頭を縦に下げて「了解」したの合図。

暑さで鶏の食欲も落ち、餌箱に食べ残しが目立ち始めた。当然、産卵も下がり気味。適正量を食べて何とか暑さ乗り切らせたい。

早朝の涼しい時間帯にしっかり摂取できるよう、今朝から15分程度、照明の点灯時間早めた。

想像以上の暑さが一週間先まで続きそうなので、不安をかきたてられるような感覚が常に付き纏うが汗を流しながら辛抱するしかない。

祝日運行のバスは農園の作業時間と少々ズレを生じる。少し前倒しに仕事を済まさせ帰宅するIさんを助手席に乗せて農園を配達へ出る。

配達途中、船木のセブンに立ち寄り、好きなアイスを選ぶように促し彼女が選んだものは「プレミアム」と冠のつく300円のソフトクリーム。

小さく頭を下げ、そそくさと助手席にもどった彼女は美味しそうにアイスを舐めはじめる。

私はドリップコーヒーがカップに落ちるまで、その様子を店内から眺めた。

あだちまさし。