「なつぞら」と開拓精神

いつもより早起きして、パソコンのキーボードをたたく。

NHK連続テレビ小説「なつぞら」の放送にあわせて、農業新聞で「北の酪農ヒストリー」という週一回の連載が始まった。内容はドラマの舞台である北海道の開拓や酪農の歴史について。この記事を入力してパートさんへ毎週配布している。

農園で10年来働いて下さっているパートさんのご長男がドラマの制作に携わっていると聞き、放送は見ていない私も興味を持った。ご長男はアニメーターとして活躍中。撮影ではアニメ制作の立場から出演者への演技指導をサポートされたようだ。

農業新聞の連載を通じて、ドラマのテーマにもなっている「開拓精神」について、脚本担当の大森氏は「目の前のことをやっていくのが開拓。それが積み重なって形になる。そんな未来へのつながりを書いてみたい」と述べている。開拓者の生き様に触れることは、私にとっても大変刺激になる

ドラマの舞台である北海道は酪農王国として有名ですが、その種が蒔かれたのは明治初期で一人の米国人が政府から招かれ100頭余りの牛で牧場をスタートさせました。ここでバターやチーズ、ハム作りも指導します。この牧場に牧夫として雇われた日本人が二人の仲間と共に酪農普及の先駆者となりました。

普及の契機となったのは大正2年の大冷害です。3人は開拓者救済のため「どんな寒い年でも草だけは生える。草があれば牛が飼える。牛を飼えば排せつ物を土に戻し、良い土ができる。これを繰り返す酪農を取り入れなければ、冷害は克服できない」と、道庁に提言します。先駆者の3人はキリスト教徒で「神を愛し、人を愛し、土を愛する」という三愛精神が源にあるようです。

現在の優雅な酪農風景は、開拓者たちが北海道の厳しい自然と共生してきた歴史の証だと胸が熱くなり感動します。今朝、11枚目の「北の酪農ヒストリー」をプリントしながら、また一つ、開拓精神を学んだ。

2019.06.24 あだちまさし