母がきて嬉しい


母が夕方きてくれた。柳屋にウナギを頼み、魚屋で鯨の刺身を頼み、井上酒店で信州の酒を買っておいた。ビール・酒に梅酒を飲ませたら話しだした「あんたが未熟児でうまれて、保健所で粉ミルクの調合を習い、そのとおりに半年以上同じ分量で続けておおきゅうならんかった。悪かったねー」・「あんたを子守りに預けるとき主人が米を1俵馬車で運んできて、毎月子守り賃を払ってくれたんよ」・「あんたを預かってくれた隣りのばあちゃんは富岡の製糸工場で働いていたけれどベッピンで、満州からシベリアまで商売で歩いたんよ。主人が毎月お礼をしていたことをあとから知ったんよ」と。しかし主人(わたしの父親)の素性は言わなかった。
3時間しっかり話しをして声がかれた母親の喜ぶ顔が嬉しかった。