慌ただしい金曜日


山口市から防府市を配達して小郡に向かう途中で上田さん(松村御大と同期)の
お宅に立ち寄った。退職され地域のことに取り組んでおられる。94歳のお母さんは
畑や家事を元気にされている。会話のあいだで家内から電話。母が下血し輸血す
る同意をしたので病院に行ってほしいと。看護婦詰所の隣のふたり部屋に母は
移されていた。表札がそうなっていた。ベッドのひとつは空いており看護婦が老婆
になにやらしていた。足立はどこでしょうか?と尋ねたらその老婆が母だった。
入れ歯を外して寝ており、わたしははじめて見る母の顔だった。これから輸血する
準備の最中だった。火曜日から下血が続いておると聞いた。いますぐどうこうありま
すかと聞いたら、それはないと思いますと看護婦はこたえた。一度、自宅に連れて
帰り塩気のある食事と少しの酒を飲ませたいとおもった。