日別アーカイブ: 2015年3月20日

贅沢な1日

まだ暗い5時すぎ、鶏舎の戸をあける。鶏は元気よく運動場に飛び出して草や虫をついばむ。
側の川にはまだ渡り鳥がたくさんいる。けれども春のやわらかい草を食べさせるのは今しかない。
仕事をやらない金曜日。
8時半から入浴できる、このあたりでは少ない源泉かけ流し「上の湯」一番のり。2階はサウナや休憩室など備えて1000円。わたしは大衆風呂400円。九州温泉地でも安い400円は少ない。浴槽はぬるい湯とあつい湯の二種類。
ぬるい湯に40分もつかれば肩と腰の運転疲れがとけていく。
さっぱりして宇部市内の菊川画廊。主はたったいま日課の常盤公園ウォーキングからもどりお茶の時間。安田登先生の「耳なし芳一」公演の案内。即座に手帳を調べて「行く」。口火はわたしが切った。「旅と移動はちがう。今は旅が出来にくい」それでしばらく会話のベルトがまわり続けた。
菊川さんはまとまった時間があれば「青春18切符」で旅をする。前回は、鈍行電車で京都に行き、山陰本線で日本海を眺めて戻った。風景もたんのうできるが、利用する地元の人を見るのも旅の楽しみ。
画家 松田正平先生と菊川さんは、わたしから見ると親子のように映っていた。松田先生と周防灘祝島のスケッチに同行するとき「足立さんも行こう」と誘われたときが一度あったが、いつ宇部に帰るのかわからない旅でお断りした。先生の晩年は菊川さんがお世話をされた。菊川さんの仕事場には松田正平先生の作品がたくさんある。県美術館で松田正平作品展のときもこの画廊から多くの作品が出た。
松田正平先生が現場で写生していたらカラスが肩にとまったり。動物園でライオンが先生の姿を見たとたん雄叫びをあげた。そんな不思議な体験を聞かせていただきながら、何点かの作品を解説いただいた。
まるで園児が描いたような羊の瞳が輝いている作品はわたしでも理解ができた。
菊川さんは道元をいま勉強している。そのことも深く話していただいた。
約1時間。とても贅沢な時をいただいた。
母はわがままいっぱいだった「おいしいものを食べて死にたい」の連呼。食べ物に未練があるならまだ大丈夫。
お昼はロング缶。2時間昼寝。
よい1日だった。