日別アーカイブ: 2015年3月23日

健太。玉に異常あり

健太が農園に来て14年ぐらいになる。銃声に怯えて猟に使えない。わたしの犬好きを知った男が「一万円なら損はない」と売り込みに犬を連れてきた。虐待されているのか人を信用しない冷たい目。頭などに傷があった。当時2頭(はなちゃん・太郎さん)を飼っていたが、わたしが引き受けなければならない気持ちがしたので支払いをした。
驚いたことは、初日の排便でたくさんの寄生虫が便に混ざっていた。すぐに薬を投与して駆除した。
当時の健太を知る人は、鋭い目付きで近寄りがたいオーラをご存知だろう。
銃声には怯えても猟犬の血はある。秋、家内が来たので炭火で秋刀魚を焼いているとき小型のイノシンが走った。健太は行きたい(行きたくない。はなちゃん・太郎さん)。放したら追いつめて噛み殺した。始末はロープでくくり橋から川に投げ落とした。
今はおおきな瞳になり、わたしの指示に従うようになった。2年ぐらい前から雄の大切なふたつの玉のひとつに腫瘍ができた。徐々に腫れはひろがり、見た目にも深刻なようす。美祢の獣医さんに水曜日の夕方診てもらう予約をした。即手術の可能性もあり、朝ご飯から絶食を言われた。

美祢の可奈ちゃんから「持ってきて」の電話を7時前、防府市に向かうとき受けた。可奈ちゃんは木曜日がお届け。いつも少しの数をそのために持っているから「了解」。
9時過ぎに着いたら、可奈ちゃんの右腕「ありさちゃん」とパンづくり。4月の農園日記に使う写真は菊川画廊の菊川さんを予定してアップの準備は済ませていたが、可奈ちゃんと、ありさちゃんの笑顔に変更して携帯電話とタブレットで撮った。わたしも可奈ちゃんフエィスブック用に撮影された。
美祢の高齢者施設の園長。松村御大も認める長州の女傑のTさん。半年前から会えなかったが、きょういつもの白いエプロン姿で笑顔。半年も会えないから実は心配していた。話したいことがあるけれど多忙で。と手を振りあった。元気なようすに胸のつかえがとれた。お元気でなにより。
小野田市が月曜日のラスト。白髪で背が高い紳士。数年前に「これでおわり」とドイツ車を買われた。フェリーと高速道路を駆使されて北海道を奥さまと走破された土産話しをうらやましく聞いた。
とても気さくなご主人で、月曜日の会話が楽しみだった。わたしがアルミ缶を集めていると話したら、近所に呼び掛けて協力してくださった。
半年近く会えないから奥さまに思いきって聞いた。半年まえ救急搬送され手術。もう自宅に戻ることはできない。けれども、そのことを受け入れずに悲観する毎日を過ごしても解決するわけでもなく、私なりに前向きに生きています。管からの食べものになったけれど、わたしの手料理を3食運んでいます。
わたしの経験から、病院から拒まれませんかと聞いたら「それは無視」管からの食事でもわたしの手料理を食べてもらいます。困難を受け入れて、笑顔で生きようとされる奥さまに元気をいただいた。健太は長生きさせなければならない。