日別アーカイブ: 2024年10月29日

定点観察

シクラメンが球根から芽をのばし始めました。そばに置いて六年目になります。

長女が高校二年の冬に大学受験を控えてピリピリしていましたので、一服の清涼剤になればと思い、白い縁のピンクの花を咲かせるシクラメンの鉢植えを購入しました。ただ、思ったほど長女が関心を示さなかったので、渋々、私が育てるようになり六年経ちました。

何度も夏越えしてキレイな花を楽しみましたが、今年は初めて花が咲かせることなく心配していました。先日まで長く暑い夏が続きましたので、小さく葉を芽吹かせた球根の力強さに例年以上の喜びを感じます。厳しい夏を共に乗り越えた仲間のような親近感からでしょうか。

シクラメンをそばに置くようになって、お客さまの玄関先で見かける植物にも少し関心を持つようになりました。勧められるまま頂いた鉢植え等が少しずつ増え、今は寄せ植えの日々草や、ホトトギス、フキ、それに観賞用のトウガラシが目を楽しませてくれています。ところが、そのトウガラシの異変が気になり注意深く観察しました。

赤やオレンジに染まるはずの実が色づきが悪く、よく目を凝らしてみますと、茎の部分にたくさんのカメムシが行儀良く整列して養分を吸い取っているのを発見しました。カメムシはナス科の植物を特に好むらしく、好物に吸い寄せられるように集まってきたようなのです。常日頃から厄介者のカメムシは農家さんにとっても天敵です。捕食する生物がいないため増加傾向に拍車がかかっていると聞きます。

カメムシはスギやヒノキの木に卵を産み、孵化した幼虫はスギやヒノキの実を食べて繁殖します。花粉症と同じく、手つかずになったスギやヒノキと関係していると農家さんから教わりました。スギやヒノキの森林は人間の手によって作られた人工林です。

人間が自然環境に手を加えることへの影響を予測する難しさを、制御不能となった花粉症やカメムシの繁殖が教えてくれているような気がします。生態系のバランスが崩れていることへの関心は、すぐそばにある植物から実感することができます。 小さな鉢植えの定点観察から様々な事を教わります。

2024.10.28 あだちまさし