母につたえなければ


土曜日。330キロ走った。きょうは走りはじめてから母とわたしの出来事をたくさん思い出そうとつとめた。なかでも、高校を出て母の妹主人が部長をされていた会社に母の願いで就職した。先々は母も移り住みたいと考えていた。
ある出来事でその母の夢をこわし親戚にも不義理をする事件をおこした。経過のなかで母と岡山駅であうことになった。わたし20歳のとき。取り乱して母が駅のなかで大声あげるぐらいの予想はあった。
母は静かな口調で「ひとり息子じゃけど、息子はなかったと思うから…あんたの思うようにやればよい」別れ際に蟹の釜飯を買ってお茶を添えて渡した。その釜飯の釜を母は大切にしていた。まだ会話ができるから、あのときはうれしかったと礼をいうておこう。