失ったものよりおおきな得たもの


藤井世根子という方の出版お手伝いを昔させてもらった。夜の国道を自転車で横断中にトレーラーに巻き込まれた。倉敷の川崎医大は管轄外であるが救急車に搬送を指示したのは世根子さんのかかりつけ医師。彼女の血液型は手にはいりにくい。
夜中にドラマが動いた。ラジオ深夜番組が全国ネットで血液提供を報じた。京都から受験生が夜を撤して倉敷にきたり、大勢提供者があらわれた。片足の膝から下は切断。義足の生活になった。
たくさんの苦労をこえて「失ったものより得たものが多かった」と笑顔でわたしの取材に応じられた。
わたし自身、20年築いた人生を切り替えて、いま10年目。得たものが多かった。幸せな人生を歩んでいるとはまだ語れないが、必ずその境地に達したい。
香月美術館に秋芳から下るダム沿いの道は、早朝凍てついており尻をフリフリ下った。光市まで走り、今夜はアリナミンと焼酎を飲もう。