江戸がおもしろい


作家の山本一力さんを知ったのは、児玉清さんが「江戸をみてきた人…」とラジオで紹介した。そのみてきたひとつは便所の糞尿買い取り金額で、長屋のそれより高級料理店のそれが高く売れた。堆肥にするとき質がよいのである。吉原の遊び方やしきたりも常連のごとく知りつくしている。
いま読んでいる「まとい大名」火消し半纏を着て、赤の鉢巻きをまいた火消し衆が半鐘の方角に駆け出したら、何人といえども道をあける。半鐘に向かい直線に道ができる。火消しは水ではなく炎の道を断つ家屋の破壊で、ここまで壊せと親方がまといを命をはって屋根でかかげる。壊される者たちと壊す火消し衆との緊迫場面もすごい。
最後は我が家を壊して火消しができなかったらどうする!と住人に迫られ「命にかえても火はとめる」与党も野党も3ヶ月グダグダ相手のアラさがしばかり。火消しに命をかける江戸の火消し衆は立派。