10個のタマゴ物語


唐戸の路地。一方通行の狭い道沿いのお宅に10個を届けて10年。木曜日の同じ時間に車を停め、天候にかかわらず小走り。そのわたしの姿を見ていた喫茶店マダムが3年まえ「なにを配達されていますか」と尋ねていただき、毎週20個のご注文をいただいた。後続の車があるのでお金とタマゴの交換ばかりで会話はなかった。
きょう紙袋を持ってわたしの定刻をドアの外で待っておられた「いつもありがとう、米子から梨が届いたから」と頂戴した。米子はわたしも話題が豊富にあるが後続の車が気になり紙袋を両手にいただいた。タマゴの宣伝や農園の話題は一切したことはない。3年、お届けしていただいたご褒美は素直に嬉しかった。
美祢小杉のばあちゃんがいつも気になりコンビニのお菓子などを10個のタマゴにそえる。去年の水害で畑は埋まり困難な田舎暮らし。きょうはばあちゃんと猫と腰をおろして世間話をした。