はなちゃん痙攣


家内が「最近、はなちゃんが後ろ向きに倒れる」と昼間の出来事を話すが気にもしなかった。昨夜、まるくなって寝息をたてていた老犬が突然立ち上がり、目も口もおおきくひらいて後ろ向きで床に倒れた。すぐ硬直した体を叩いて声をかけた。しばらくして意識は戻った。この痙攣がながく続けば命はなかろうと感じた。
金曜日は母に会いに行く。部屋に入るとわたしを見て驚いた「進かね」と尋ねて廊下中に聞こえるほど大声で泣き出した。わたしが死んだと錯覚していたらしい理由はわかった。悲しみを押し殺して涙をながす母は何度か昔みたが、嗚咽する母ははじめて。わたしが元気なことで安堵の涙にわたしも胸があつくなった。自宅の熟れた柿を喜んで食べてくれた。洗濯物を預かりわかれた。