狸の知恵


焼却炉は炉の下に薪を敷き、鶏の死骸や生ゴミを入れる。ある程度になると灰がたまる風がはいるところに天ぷら廃油をいれて点火する。農園はじめてずっとこのやりかた。
夕暮れから数匹の狸がなんとか炉の中を食べたいと挑戦する姿がある。下から頭を入れても、餌は頭のうえの薪に乗っている。しかし昨夜は鶏を一羽食べ羽を周囲に散乱させた。狸は背中を下にして前足を使ったと推測した。11年、毎晩食べたい一心が実った「よくやった」しかし今夜からそこにフタをする。
鳥越俊太郎さんがラジオに1時間登場された。第4ステージがんを患っている暗さはない。毎日ジムに通い筋力トレーニングをやり、最近は筋肉美の写真集も出したらしい。臨終のとき枕元で聴かせてほしい選曲もすませた。曲を聴きながら往きたい。墓も戒名もいらない。覚悟をかためながらも前向きに生きる姿勢だった。